
「ビジネスは、自分と相手で成立するものだと思っています」
2026年にマテリアルワークスへ参画した清水に、キャリアのこと、事業への考え方、そしてなぜこの会社を選んだのかを聞いた。グローバルに展開する製造業で17年間、製品企画や新規事業開発に携わり、グローバルで複数の事業立ち上げを経験してきた人物だ。

「自分と相手」からしか、事業は生まれない
清水の事業に対する考え方はシンプルだ。
「自分の強みと、相手の課題。この2つが重なるところにしかビジネスは生まれない」
重要なのは、その相手をどれだけ深く理解できるかだという。ただ、そこには前提がある。
「赤の他人は、悩みなんて教えてくれないんです」
だから、リサーチだけで完結させるのではなく、現場に入り込んで関係性を築き、何度も対話を重ねる。住み込みに近いレベルで関わることもあると言う。地道に見えるこのプロセスが、清水にとって事業の出発点になっている。
失敗から始まったキャリアと、グローバルでの事業経験
スタートは順調ではなかった。2008年、リーマンショックの影響を受けて立ち上げた3つの事業がすべて失敗に終わる。
その後、本質を問い直しながら取り組んだ事業は3年で5億円規模に成長し、現在では100億円規模になっている。イタリアでの新規事業立ち上げ・パートナー開拓、タイでの東南アジア市場開拓、アメリカでの開発拠点設立、リトアニアでのM&A後の事業統合など、グローバルで幅広い実務を経験してきた。
どの局面でも、「自分と相手」を起点に考えるというスタンスは変わっていない。
なぜ今、環境を変えたのか
転機になったのは、前職での経営環境の変化だった。ファンドが参画し、事業は短期的なリターンをより強く求められるようになる。
「3年間での投資回収という前提で、利益指標だけが重視されるようになった」
それ自体は合理的な判断だと理解していた。でも、違和感は大きくなっていった。

「人類の発展にどう役立つのか、という視点が薄れていく感覚があった」
社会への貢献を軸にキャリアを選んできた清水にとって、その変化は無視できないものだった。
「1000年を見る」という発想との出会い
そんな中でマテリアルワークスと出会った。参画の決め手になったのは、創業者の視点だったという。
「多くの経営が3年、長くても数十年の単位で考える中で、1000年を見るという話をしていた」
そのスケールの大きさに惹かれた。「何をやるかよりも、どこに向かっているか。その軸が明確だった」
加藤社長が言う「1000年」とは、遠い未来の話ではない。1000年続くような普遍的な価値を持つ事業、生活の中に長く残り続けるものをつくりたいという考え方だ。その姿勢が、清水の価値観と重なった。
2025年8月、マテリアルワークスは創業20周年を機に持株会社「TOMOREA HD」を始動させ、この構想を本格的に形にし始めた。スローガン「1000年、ともに」のもと、国内外のパートナーとの共創を加速させていく。
大きく挑む。だから、一緒につくる
これまで清水は「小さく早く挑戦する」ことを重視してきた。リスクを抑えながら試行錯誤を繰り返していくアプローチだ。マテリアルワークスに参画してから、その考え方が少し変わってきている。
「大きなことを、いかに低リスクで実現するか」
自社だけで完結させるのではなく、外部パートナー・資金・既存アセットを組み合わせることでリスクを下げる。
「自分にないものは、仲間と補い合えばいい」
この考え方が、事業のスピードとスケールを変えていく。
どんな人と、どんな組織と共創するのか
清水が組みたいのは、TOMOREAが掲げる5つのコミットメントに共感できる人・組織だ。「1000年、ともに」というスローガンの根底にあるこの価値観を、単なる理念ではなく事業の判断軸として持てるかどうかが、清水にとっての一番の基準になっている。

TOMOREAホールディングスのコーポレートスローガン「1000年、ともに」のもと定めた5つのコミットメント。マテリアルワークスの事業はすべて、この基準に照らしながら進められている。
「会社も人の集合体なので、ビジョンがあるかどうかが大事」
利害が一致するかどうかより、同じ方向を向いて進められるかどうか。その意味で、コミットメントへの共感こそが、最初の入口になる。
生活に根ざした、1000年先まで残るものをつくる。清水が探しているのは、その問いを一緒に持てる相手だ。
